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半炭化と炭化の違いって?

半炭化と炭化の違い

半炭化と炭化の主な違いは、熱処理の温度と程度です。半炭化は比較的低い温度(約250~300℃)で熱処理し、炭化はより高温(約600~1,000℃)で、有機物を「炭」にまで変化させます。半炭化は、炭化ほどではないが燃焼に寄与しない水分を減らし、発熱量を向上させます。

半炭化とは

「半炭化(トレファクション)」とは、木質バイオマスなどの有機物を200〜300℃の比較的低い温度で加熱し、炭素分を多く含む物質に変化させる燃料化技術のことです。 通常の炭化が600℃以上の高温で行われるのに対し、半炭化は低温で行われるのが大きな特徴です。この過程で発生する熱分解ガスは、原料の予熱に再利用できます。

特徴
  • エネルギー密度が高い: 重量あたりのエネルギー密度が、通常の木質ペレットの約1.3倍にも向上します。
  • 輸送・貯蔵効率の向上: 重量と水分量が減少するため、輸送や貯蔵の効率が良くなります。
  • 耐水性の向上: 水に強くなるため、屋外での貯蔵がしやすくなります。
  • 粉砕性の向上: もろくなるため粉砕しやすくなります。
  • 粉塵爆発のリスク低減: 粉塵爆発の危険性が低いとされています。
     
応用例
  • バイオマス燃料: 半炭化処理を施したペレット(ブラックペレット)は、従来の木質ペレットよりも高い発熱量を持ち、石炭火力発電所での混焼燃料などとして利用されます。
  • 舗装材: 半炭化処理した木材チップを用いた舗装材は、腐りにくく耐久性に優れています。
  • 土壌改良材: 良質な炭化物を作り出し、農地の土壌を豊かにするためにも利用されます。
  • 小規模バイオマス発電: 多様な種類のバイオマスを発電燃料として活用できるため、小規模な発電を効率的に行うことができます。 

炭化とは

  • 処理温度:約600〜1,000℃
     
  • 特徴:
    • 有機物を炭(木炭)にまで変化させる。
       
    • 酸素のない(または少ない)状態で高温加熱する。
       
    • 半炭化よりも炭素の濃度が高く、発熱量も高い。
       
  • 主な用途:
    • 燃料(高純度バイオマス燃料)
       
    • 吸着剤、土壌改良材など